闘技場年代記
五十嵐一輝&バイス/仮面ライダーリバイ&仮面ライダーバイス VS Vaelithra
血統の王と、恐竜の兄弟 空気が、紙のように薄くなった。 五十嵐一輝は変身ベルトに手を添えたまま、眼前の光景を脳裏に焼き付けようとしていた。崩れかけた古代遺跡の広間。石柱の影が、血のように赤い月光を斜めに切っている。その中央に、彼女は立っていた。…


登場キャラクター
血統の王と、恐竜の兄弟
空気が、紙のように薄くなった。
五十嵐一輝は変身ベルトに手を添えたまま、眼前の光景を脳裏に焼き付けようとしていた。崩れかけた古代遺跡の広間。石柱の影が、血のように赤い月光を斜めに切っている。その中央に、彼女は立っていた。
長い銀髪が、風もないのに揺れている。六つの緋色の眼が、闇の中で順番に瞬いた。黒い角。金属の装飾が縫い込まれた、構造的なドレス。彼女は動かなかった。ただ、そこに在るというだけで、空間そのものが彼女の許可を待っているように見えた。
「……時間を止める、って言ったな」
一輝の声は、自分でも意外なほど低く出た。隣で、黒い身体に青い複眼を光らせた相棒が、尻尾をゆらりと揺らす。
「おいおい一輝、ビビってんのか?俺っちは正直ビビってるぜ。あのねーちゃん、目が六つある時点で反則だろ」
「うるせえ、バイス。お前は黙ってろ」
「ひでーっ」
軽口を叩き合う二人の声が、遺跡の石壁に反響して消える。Vaelithraは、そのやり取りをじっと聞いていた。表情は動かない。だが、六つの眼のうち二つが、わずかに細められた。
「面白い」と彼女は言った。声は冷たく、澄んでいて、遥か遠い時代の重みを帯びていた。「神々より前から在るものが、面白いなどと言うのは久しい。お前たちは、何だ」
「仮面ライダーだ」一輝が答えた。「リバイ。そして――」
「バイス!俺っち、バイスな!」相棒が胸の円形の徽章を叩いて胸を張る。
「仮面ライダー」Vaelithraはその単語を、古い言語の欠片を確かめるように口の中で転がした。「矮小な名だ。だが、その眼の光は嫌いではない。守るものがある者の光だからな」
一輝の眉が、マスクの下で動いた。この女は、敵だ。だが、敵である前に――何かを守っている。その直感が、彼の胸の内で小さく警鐘を鳴らした。
「お前も、守るために来たのか」と、彼は訊いた。
Vaelithraは答えなかった。代わりに、彼女の指先が、そっと宙を撫でた。
その瞬間、世界の法則が、軋んだ。
折り畳まれる空気
最初に異変を感じたのは、バイスだった。
「一輝、足元!」
叫ぶより早く、大地が格子状に割れた。いや、割れたのではない。折り畳まれたのだ。空気そのものが、幾何学的な法の層となり、正方形と三角形の平面が、光の筋となって空間を埋めていく。石畳の目地が、突然、無限に深い溝となって一輝の足を呑み込もうとした。
「うおっ!?」
一輝は跳んだ。跳んだつもりの跳躍は、しかし半分の距離しか進まなかった。空間が、彼を中心に縮もうとしていたのだ。四方の壁が、彼の身体に向かって、音もなく近づいてくる。
「《Formation Within Formation》――我が名はVaelithra。崩れゆく世界の、最後の番人。お前たちの時間は、ここで止まる」
彼女の宣言と同時に、一輝の周囲の空気が、飴細工のように固まった。動けない。息が、肺の中で凍りつく。時間が止まったのだ。彼の思考だけが、止まらない。バイスの声だけが、遠くで聞こえる。
「一輝!一輝!くそ、俺っちだけ動ける……なんでだ!?」
それは単純な理屈だった。止められたのは、一輝という「個」の時間。だがViceという存在は、彼の内側から生まれた悪魔であり、その時間の外側にいたのだ。Vaelithraの六つの眼が、バイスに向く。
「ほう。時間の外に立つ存在か。珍しい。だが――」
彼女の手が、もう一度宙を掴む。今度は、バイスを中心に、空間の格子が組み上がろうとしていた。
「させるかよ!」
バイスは、その場で地面を蹴った。だが跳べない。空間の縮約が、彼の跳躍力を計算に入れていたからだ。彼は代わりに、尻尾を石柱に巻きつけ、遠心力で身体を振った。瓦礫の山から、折れた鉄の梁が彼の手に飛び込む。彼はそれを斧槍のように構え、縮みゆく空間の壁を、力任せに叩いた。
がきん、と硬質な音。空間の格子に、ひびが入る。
「へっ、時間を止めても、俺っちのパワーは止まんねーんだよ!」
「……面白い」Vaelithraの声に、初めて、温度のようなものが混じった。「だが、その程度で我が法を破れると思うな」
彼女は指を鳴らした。空間の格子が、修復される。より厚く、より硬く。バイスの尻尾が、石柱ごと根元から折れた。
「バイス!」
一輝の声は、まだ空間に閉じ込められていた。だが、その叫びは届いた。バイスの耳に、確かに。
「……一輝。お前、今、動いたよな」
時が止まっているはずの空間で、一輝の指が、ぴくりと動いた。ほんの、数ミリ。だが、それは「止められた時間」に対する、最初の反逆だった。
内側からの破壊
Vaelithraは、一輝の変化を見逃さなかった。
「……なぜ、動ける。我が法は、神々すら縛る」
「俺は、神じゃねえ」と一輝は言った。声は、まだ空間の膜に包まれていたが、確かに届いている。「ただの、長男だ。家族を守るって決めた、ただの人間だ」
彼の内側で、何かが爆ぜた。バイスと共有する力。悪魔と人間の、二つで一つの契約。時間を止める法は、確かに強力だった。だが、二人の絆は、時間の外側にも内側にも、同時に存在していた。どちらか片方を止めても、もう片方が動く限り、二人の力は止まらない。
「バイス!」
「おうよ、一輝!」
バイスは、折れた尻尾の痛みを笑い飛ばした。彼は鉄の梁を握り直し、一輝の閉じ込められた空間の「外側」から、思い切り振り抜いた。空間の格子が、内側からの抵抗と外側からの打撃に、同時に軋む。
「今だ、一輝!」
一輝は、全身の力を足に込めた。空間の膜が、内側から押し広げられる。彼の身体が、コンマ数秒、自由を取り戻す。その一瞬で、彼はベルトのレバーを二度引いた。
「リバイス!」
「バイス!」
二人の声が重なる。空間の格子が、音を立てて砕け散った。幾何学の破片が、血の色をした光となって四方に散る。一輝は、その中心から、地面を蹴って飛び出した。
Vaelithraの六つの眼が、すべて見開かれた。彼女の退路を計算する。だが、バイスはもう、その計算の外にいた。彼は瓦礫の山を跳ね、崩れた石柱の影から、Vaelithraの死角へと回り込んでいたのだ。
「上等だ、王様。俺っちの相棒を閉じ込めた代償、払ってもらうぜ」
バイスの尻尾が、今度はVaelithraのドレスの裾を捉えた。金属の装飾が、軋む。彼女は、初めて、身体を動かした。後退する。だが、その一歩は、すでに一輝の読みの内側だった。
血の法と、恐竜の牙
「……賢い」Vaelithraは、自分のドレスを掴んだバイスを見下ろした。「時間を止めれば、絆まで止まると思った我が甘かった。お前たちは、二つで一つ。そういうことか」
「ご名答」とバイスが笑う。「俺っちと一輝は、そういう関係なんだよ。悪魔と人間さ、ケンカもするけどな」
「ならば――」
Vaelithraの銀髪が、逆立った。彼女の周囲の空気が、赤黒く濁る。血の香りが、遺跡の広間に満ちた。彼女は、自らの血を、空間そのものに溶かし始めたのだ。折り畳まれた幾何学の法だけでは足りない。彼女は、より根源的な力――彼女自身の存在そのものを、武器に変えようとしていた。
「我が血は、時を越える。我が名は、神々の前より在る。お前たちの絆が時間の外にあるなら、我は、時間そのものを内側から腐らせる」
赤い光の筋が、空間の格子に沿って走る。それは、一輝とバイスの身体に絡みつこうとした。だが、一輝はもう、止まってはいなかった。
「Vice!」
「おう!」
一輝は、腰のリバイスラッシュを抜いた。斧槍が、赤い光を切り裂く。彼は、バイスと背中合わせになった。二人の間に、Vaelithraの血の法が、網のように張り巡らされる。だが、二人はそれを、互いの動きで読み合った。一輝が左に跳ねれば、バイスが右で鉄梁を振る。バイスが低く潜れば、一輝が上から斧槍を振り下ろす。血の網は、二人の呼吸のリズムに合わせて、綻んでいく。
「なぜだ」Vaelithraの声に、初めて、焦りに似た響きが混じった。「なぜ、我の法が、届かぬ」
「届いてるさ」と一輝は言った。彼は、血の網の隙間から、Vaelithraの六つの眼を真っ直ぐに見た。「お前の法は、確かに俺たちを縛ってる。でもな、俺たちは、縛られるたびに、もっと強くなるんだ。家族ってのは、そういうもんだ」
Vaelithraの六つの眼が、震えた。彼女は、その言葉を、遥か遠い記憶の底で聞いたことがあった。守るべきものがあった。失ったものがあった。彼女は、それを思い出そうとして――だが、その一瞬の隙を、一輝は見逃さなかった。
「バイス、今だ! 二人で決めるぞ!」
「待ってました!」
一輝は、リバイスラッシュを高く掲げた。バイスは、彼の背後で、同じく拳を天に突き上げる。二人の身体が、赤い光の膜に包まれる。それは、Vaelithraの血の法とは、まったく別種の光だった。温かく、激しく、二つで一つの光。
「リバイス――」
「フィニッシュ!」
二人は、同時に跳んだ。一輝の蹴りと、バイスの蹴りが、Vaelithraの血の網を、内側と外側から同時に打ち破る。赤い光が、白く弾けた。
止まらない時間
Vaelithraは、その光の中で、静かに立っていた。
彼女の血の法は、砕けた。折り畳まれた空間も、元の広間の形に戻っていく。六つの眼のうち、四つが、ゆっくりと閉じられた。彼女は、膝をついた。銀髪が、石畳の上に広がる。
「……強いな」と、彼女は言った。声から、王の威厳が薄れ、ただの、古い存在の疲れが滲んでいた。「お前たちは、我が知らなかった強さだ。時間を止めても、絆は止まらない。血を溶かしても、心は腐らない。……我は、長く生きすぎたのかもしれない」
一輝は、変身を解かなかった。彼は、斧槍を下ろさず、Vaelithraを見ていた。バイスも、同じだった。
「お前、守るものがあったんだろ」と一輝は言った。「さっき、そう言った」
「……ああ」Vaelithraは、閉じた眼の影で、小さく笑った。「いた。遠い昔に。だが、我はそれを、守れなかった。だから、世界そのものを守ろうとした。誰も失わぬように。だが――」
彼女は、残った二つの眼で、一輝とバイスを見た。
「お前たちのように、守れる者もいるのだな。ならば、我の負けは、悪くない」
一輝は、ようやくベルトのレバーを戻した。鎧が、光の粒子となって消える。彼は、変身前の、二十二歳の青年の顔で、Vaelithraに手を差し伸べた。
「まだ終わってねえよ。お前が守りたかったもの、俺たちが引き継ぐ。だから、立て」
Vaelithraは、その手を、しばらく見つめていた。そして、そっと、自分の手を重ねた。冷たい指先に、人間の体温が移る。
「……お前たちは、本当に、面白い」
バイスが、その横で、尻尾をぶんぶん振っていた。
「だろ? 俺っちたち、最高のコンビなんだぜ。なあ、一輝」
「ああ」と一輝は笑った。「最高の、家族だ」
遺跡の上に、赤い月が沈んでいく。時間は、もう止まっていなかった。それは、確かに、前へ進んでいた。
記録された結末
この戦いで最後に立っていたのは 五十嵐一輝&バイス/仮面ライダーリバイ&仮面ライダーバイス でした。
この架空の物語は、プレイヤー作成キャラクターと公開バトルをもとに PicWar AI が娯楽目的で生成したものです。この結末を書き換えますか?
五十嵐一輝&バイス/仮面ライダーリバイ&仮面ライダーバイス に挑むヒーローを作ろう。
スケッチや画像から PicWar でヒーローを作り、新しいバトル物語へ送り出しましょう。